この世で一番大事な「かね」の話  西原恵理子

「脱 社畜ブログ」こちら→http://dennou-kurage.hatenablog.com/が好きで、読んでいます。

その中で、このブロガーさんが推薦している本が、西原恵理子さんが書いた「この世で一番大切な「かね」の話」

 

アマゾンの評価も高く、おもしろそうだったので、早速読んでみました。

感想は、想像通りで期待を裏切ってません。

そして、凄まじい。

ホロリとしたり、ぷっと吹き出したり、こうなっちゃったらどうしよう、という怖さもある。

西原さんがこの本のタイトルでもいっている「世の中で大事なかね」という所以を表現したところが、これ。

 

ここから⇓

 

「貧困」と「暴力」は仲良しなんだよ。貧しさは、人からいろいろなものを奪う。

人並みの暮らしとか、 子供にちゃんと教育を受けさせる権利とか、お金が十分にないと諦めなければならないことが、次から次に、山ほどでてくる。

それで大人たちの心の中には、やり場のない怒りみたいなものがどんどん、どんどんたまっていって、自分でもどうしようもなくなったその怒りの矛先は、どうしても弱いほうに、弱いほうにと向かってしまう。

貧しいところでは、だから、子供が理不尽な暴力の、 一番の被害者となる。

今でいう虐待は貧困が原凶。

「貧しさ」は連鎖する。

それと一緒に埋められない「さびしさ」も連鎖していく。

ループを断ち切れないまま、親と同じものを、次の世代の子供も背負っていく。

 

ここまで。

 

一旦、貧困という闇に飲み込まれると、そこから這い出ることがどんなにしんどいか、西原さんの実体験が書かれています。

 

父親がギャンブル狂で母親とのお金のことでいつもけんかをしていたこと。

高校を退学させられたこと。

地元を離れ、東京での生活を始めたこと。

イラストが認められて、収入が増えたこと。

自分までギャンブルにはまったこと。

ダメ男と別れられず、貢ぎまくったこと。

ミニスカパブで働いたこと。

などなど、ジェットコースター的なお金にまつわる人生談なので、あっという間に読んでしまいます。

 

読後の感想は、やっぱり、おもしろい。

そして、マンネリ化した日常で、夢は夢、現実は現実と夢の実現に伴う困難からの逃避をしようとする自分にカツを入れてくれる言葉が詰まった本でもあります。

今が嫌なら、そこから這い出す努力をしな、と緩みきった私の性根を引き締めてくれます。

お金について真剣に考える時にぜひ!の一冊です。